(代表中里文子のコラム/2023.2.26)

銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」等の人気作品を世に生み出した漫画家の松本零士さんが、星の海に旅立たれた。私はアニメの熱烈なファンだったわけではないけれど、ちょうど昨年の9月初旬に都内で行われた「子鉄フェスタ(鉄道マニア?オタク?の子ども版イベント)」に、心理専門職として参加する際、子どもたちにうまく近づく方法として考え出したのが「メーテル」のコスプレで臨んだ「メーテル先生相談室」でした。思った通り、子どもたちはにこにこしながら「メーテル先生」のそばに座り、電車の絵を見事に描いて話しかけてくれました。

子どもたちが絵を描いている間、メーテル先生はパパやママと話をしました。「電車のことには夢中になるけれど、他にはちっとも興味を示さない…」「電車の名前はすべて知ってるけど、これが九九や漢字だったらね…」「電車で一人遊びをして、お友達と遊ばない」など、たくさんの悩みをお聴きしました。

「好きなものは好きでいいじゃない。ただ、ご飯も食べずに遊ぶのは困っちゃうね。じゃあ、タイマーを使ってみようか?時間がきたら汽車の「ポーポッポー」って鳴ってくれるのがあるといいよね」そんな話をして盛り上がりながら「メーテル先生悩み相談」は大盛況でした。

「銀河鉄道999」の主人公「鉄郎」の目的は、「アンドロメダ星雲にある機械の体をタダでくれるという星に行くこと」、そして鉄郎の死んだ母にそっくりな謎の女性「メーテル」の目的は、「・・・」。

永遠の命を求める鉄郎が、謎の女性メーテル(ネーミングの由来は、青い鳥の作者メーテルリンクとギリシャ語で「母」を意味するmētēr)とともに旅をする間に多くの人との出会い、別れを経て、人生の機微を知ります。その中で永遠の命への幻想をなくし、「機械の体なんてクソくらえ!」と涙を流し叫びながら最終的に鉄郎が選んだのは、今までの自分でいること、自分の旅の果てを最後まで見極める道だった、というストーリーです。

一度閉ざされた人間の命の火を見て、「あの命の火はもし再び人間に生まれ変わってもまた機械の体が欲しいと思うのだろうか」と鉄郎は考えます。松本零士さんの言葉につながります。「人は、限りある命だからこそ頑張れる。生命体の寿命には限りがある。だからこそ力の限り生きて、満足して死ぬことができる。それが楽しい人生でしょう」

メーテルの目的は、「・・・」。「銀河鉄道999」は未完のままだそうです。私的には、母が自身の中に娘を同一化して呑み込もうとし、娘はそれが愛ではないともがき苦しみ、最終的に母からの「自立」を図るストーリーなのかと勝手に妄想しました。ただ、難しすぎて、また奥が深すぎてきちんと動画(漫画)を読んではいませんが。

そして、メーテルが鉄郎の宇宙への旅に真摯に付き添ったように、「メーテル先生」は、子育てに悩み立ち止まるママや子どもたちの心の声に真摯に耳を傾け、寄り添っていきたいと心から思うのです。

また、どこかで「メーテル先生」を見かけたら、大きな声で呼びかけてくださいね。

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それではまた。

中里文子


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