(代表中里文子のコラム/2020.10.26)
「あなたは右脳の人?それとも左脳の人?」もちろん、右脳も左脳もどちらかの機能が欠けていてはいけないし共によく働くことが必要ですが、人により、どちらかが優位に働くということはあるようです。
ヒトの大脳は、右脳と左脳とでそれぞれ違った役割を担っています。多くの心理学実験から、その機能の違いは明らかにされてきました。「イメージ脳」と呼ばれる右脳は、立体感覚、発想、芸術など感覚的思考を司り、「言語脳」と呼ばれる左脳は、言語、計算、理論など概念的論理的思考を司ります。それぞれの主な機能は以下のようです。
- 右脳:直観・イメージ・図形・芸術・本能・知覚・(画像や音を)見る、聴く・姿勢やバランスを保つ・全体的、など
- 左脳:理論・言語・分析・文学・理性・思考・(言葉を)話す、書くなどの運動機能・声や音の認識・部分的、など
右脳と左脳の間には、「脳梁(のうりょう)」があり、右脳(感覚器:五感覚:視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)でインプットされた情報は瞬時に脳梁を通り左脳へ渡り、左脳で情報処理されアウトプット(発話や書字など)されます。脳梁が両者を結ぶ神経ケーブルのような役割をしているため、右脳と左脳はほぼ同時に機能します。音楽鑑賞では、メロディーを聴いているときは右脳が働き、歌詞を味わいながら聴いていると左脳が働きます。また、天才将棋棋士は、右脳で将棋の盤面をイメージとして覚え、同時に左脳で状況分析をするため、驚きの次の一手を生み出すようです。
脳の機能のうち「記憶力」は2つに大別され、一つは「短期記憶(流動性知能):しばらくすると忘れてしまう記憶」であり、もう一つは「長期記憶(結晶性知能):ほぼ永久的に覚えていられる記憶」です。まずは、すべての記憶が「短期記憶」として、脳の「海馬(かいば)」に保存され、海馬内で情報の取捨選択が行われます。長期に保存が必要とされるものは「大脳新皮質」に送られ、「長期記憶」として保存されます。長期記憶として保存されたものが「知識」となります。
また、脳の機能全般を測る心理検査に「知能検査」があります。よく使われるものとして「ウェクスラー式知能検査」があります。IQとして表されるもので、単に「知能が高い・低い」としてのみ誤解されて理解されることもありますが、実は、自身の脳の機能の中でどこが強くてどこが弱いだとか、右脳優位か左脳優位か、またはその連携のスピードなどを知るための重要な指標を担っている検査でもあるのです。例えば、事故で脳を損傷してしまったときなど、脳のどこの機能がダメージを受けているのか、ダメージを補うにはどうしたらいいのかなど、高次脳機能障害の診断や治療の一つとして使われることもあります。また、行動面での機能の不具合(忘れっぽい、片づけられない、人とうまく関われないなど)が顕著な発達障害などの診断の一部や、支援方法の指標としても使われます。
私たち人間は、一般的には脳の3~5%しか使わず、その残りはほぼ使われることがないようです。何ともったいないことでしょうか…。「頭がいい」と言われる人は、特に「長期記憶」をうまく活用できる人です。「長期記憶」は主に左脳と関連していますが、右脳からの情報と結び付けて記憶させることが効率的な「記憶法」と言われています。特に、すでに長期記憶になっていることと関連して結びつけることがコツのようです。例えば、「1192(いいくに)作ろう鎌倉幕府」は「音(聴覚)」と年号、歴史を結び付けて覚えます。また、最近流行りの「うんこドリル」は実に面白い!1年生の漢字ドリルをみてみると、「月~土」それぞれ2つの読み方を覚えさせるのに、例えば、「月」は、「(ゲツ)曜日は、(ツキ)見をしながらうんこをした」、「木」は、「(モク)曜日は、(キ)のぼりをしながらうんこをした」となっていて、それぞれ強烈な挿絵があります。ふざけているようで笑えますが、子どもはあっという間に2通りの読み方を覚えます。「…ドルチェ&ガッバーナの香水のせいだよ」は、香水(嗅覚的記憶)が過去の出来事と結びつき長期記憶へ、というものです。忘れたいのに忘れられない…、右脳と左脳の連携により効率よく(?)「長期記憶」を生み出す例でしょう。
右脳優位、左脳優位も含め「自己理解」を目的とした、「ウェクスラー式知能検査」などの知能検査をはじめとした心理検査とそのフィードバックは、私、中里の得意とするところです。ご興味のある方は、HPをチェックしてみてください。
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それではまた。
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