(代表中里文子のコラム/2017.11.21)
精神疾患や発達障害を持つ方への心理的支援を行う際に、「アセスメント(心理テストなど)」はとても重要な基準や指標になります。アセスメントによってクライアントを正常(標準・定型)か否かを考える際に、「多元的・相対的に判断する」ということがとても重要になります。つまり、検査の結果の数字だけで正常か異常かを分けていくことをしない、という視点でクライアントを見立てていくのです。そういった理由から、アセスメントによる判断からは、「グレーゾーン」という何ともすっきりしない状態に含まれるクライアントが多く現れてしまうのです。
では、実際にはどのように多面的なのでしょうか。実際に見立てをする基準として、①「適応的基準(本人が社会的に適応(機能)できていると感じるか否か)」、②「価値的基準(法律や道徳観、理論モデルに基づく規範から逸脱しているか否か)」、③「統計的基準(マイノリティかマジョリティか)」、④「病理的基準(医学的判断:病気か否か)」があり、このような情報を統合して「見立て」を形成します。②は法律などの基準がはっきりして、④も医師の診断という医学的根拠に基づいたもので、わかりやすいと思いますが、心理学的視点では、①適応か不適応か、③平均か偏りか(多数か少数か)についての基準をとても大事にしていきます。
「発達障害」を例にすると、心理検査の結果は大まかな指標にはなりますが、実際にクライアント(当該児)が日常生活において「困っていなければ」障害の域には含まれません。例えば、視力がものすごく悪い人が眼鏡を使うことで困り感がほぼなくなることと同じように、言語能力の苦手があったとしても、PCを使って感情豊かな文章が表せるのであれば、それは「個性」になり得ます。また、じっと座っていることが苦手で、次々発言をしてしまうような子が欧米のような自己主張ができる子どもたちばかりの中に入れば、マジョリティ(多数派)になり、むしろ、皆に合わせて声も出さずにうなずく子どもは「自分に自信のない無口な子」というマイノリティになるわけです。私たち専門家は、このどちらのタイプの子どもも「障害児」とは呼びません。なぜなら、「多元的・相対的」な見方をしていくからです。そもそも、皆と同じに軍隊みたいにそろって行動できなければいけないのでしょうか?私は「否」と答えます。ただし、日本の教育環境はまだまだ個人主義的でないのが実情ですが…
白か黒、その間はグレー?なんとも陰気な色の選び方をするなあ、とずっと感じていましたが、赤か白かではなぜいけないのでしょうね?そうしたら、その中間は「ピンク」だったのに(笑) ピンクの子どもたち(笑)何ともユニークで希望に満ちた感じがすると思うけどな…。
当オフィスでは、そんな「ピンクゾーン」と思われるお子さんとママが、発達検査を通してお子さんの「これから」について一緒に考えていく「親子カウンセリング」を行っております。その中の一つに「箱庭療法」もあります。
それではまた。
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カウンセリングでは、ご相談者様の生きづらさに寄り添い、その原因となった出来事に対するものの捉え方、感じ方など内的な感情に焦点を当て、各種心理療法(精神分析的心理療法など)を用いて、ご相談者様の心の側面について内省を促し、生きづらさを解決していきます。
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