(代表中里文子のコラム/2017.10.21)
自分の中のもう一人の自分?まるで、ジキル氏とハイド氏の話のようですが、人はだれしも多かれ少なかれ、社会生活において適応的に振る舞う自分(表面的な自分)と、無意識の中にしまってある自分(本音の自分)を持っているといわれています。不安やストレスをため込むタイプの人ほど(「表面的な自分」と「本音の自分」の差が大きい人ほど)、閉鎖された空間や相手からは誰だかが容易にわからない状況(匿名の状況)において「本音の自分」が出やすく、むしろ、不安をため込む度合いの大きい人ほど極端に出てくる可能性があるようです。
普段は、「ふざけんな!」と言いたくても言えないでいたり、仕返しがしたいと思ってもできないでいたり…、閉鎖された空間は、「無意識」を開放しやすくするようです。これは、無意識に追いやられて蓋をされて苦しかった感情が、カウンセリング室という守られて安全な空間では吐き出しやすくなることに似ていますね。ちなみに、自分の性格を押し殺して笑顔をつくっている人ほど体調を崩しがちだといわれています。
また、ハンドルを握ると豹変する人たちの豹変理由として、「ドレス効果、ユニフォーム効果」が挙げられます。これは、心理学者フィリップ・ジンバルドー(Philip Zimbardo)の「スタンフォード・監獄実験(1971)」で提唱された概念で、囚人服を着せられた被験者は弱気でいいなりになり、逆に看守の制服を着た被験者は、権力を行使し、ついにはその行動がエスカレートして、囚人役を躊躇なく虐げていったという結果が出ています。
簡単に言えば、制服を着ることにより制服に見合った、またはそのイメージを極端にした別人格が生まれる、という効果です。「車」という強靭な武装をすることで、戦闘態勢のスイッチが入るのだと思います。無意識に抑圧された感情がある人ほど、「豹変」が起こるのかもしれません。普段から、脳内興奮物質(ノルアドレナリン)の働きをうまく調節してくれる「セロトニン」を増やすことや、自身の感情のコントロールのスキルを学んでおくことが大切と言えますね。また、自身の性格特性を知ることも重要です。
当オフィスのカウンセリングを利用して、心理検査などを使い、自己の性格特性を知ったり、感情のコントロールを学んだりする方が増えています。特に、対人関係におけるトラブル回避に役立ちます。そういった「予防」の観点でカウンセリングが利用できると、ずっと楽に生きていけるようになるのではないでしょうか。
それではまた。
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