(代表中里文子のコラム/2021.4.26)

最近では日常の中で、「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉をよく耳にするようになりました。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標(17の大目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成)のことです。

例えば、※「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」…と17の目標がありますが、2017年には「ピコ太郎さん」がSDGsのPPAPバージョンを国連で披露してニュースに取り挙げられましたね。その前年5月に阿倍元総理は、「…日本は(SDGs)の国際社会のモデルとなるような優れた実績を積み重ねてきています」と会合で意欲表明しました。

SDGsのS「サステナビリティ」とは、「持続可能性」と訳されており、それが意味するものは、「今さえ良ければいい」ではなく、「将来的にずっと良い状態を保っていく」ということです。もともとは、漁業などで水産資源を減らさず漁獲量を持続させる(稚魚は獲らない、獲る時期や場所を限定するなど)ことからきているようです。

社会においては、「CSR(corporate social responsibility):企業の社会的責任」のことで、企業が利益を追求するだけでなく、社会に与える影響に責任をもって消費者等に意思決定をするということにあたります。具体的には、「ユニクロ」が「緑のドラえもん(緑のユニクロ)」を‟グローバルサステナビリティアンバサダー“として、服のチカラ(服のリサイクル、環境配慮型の素材など)を通してサステナビリティ活動に取り組んだり、コンビニなど小売店等でビニール袋を有料化したり、といったことです。それにより社会では「マイバック持参」や「マイ箸利用」が定着したり、メルカリやジモティなど「捨てない文化」というエコな考え方が定着してきました。

面白いもので、「捨てる」「買う」という消費活動を続けていると、人の心は満たされずどこか虚しさを感じてきます。一方で、メルカリなどでたとえ100円の利益でも得ていくという生産活動をしていくことで、人の心は前向きになり満足感が得られ、さらには向上心が芽生えてくるものです。つまり、社会の中で「働く」ということが、人を成長へ導き、自己肯定感を高めていくことの主要な一つになり得るのです。そういった意味では、若年層の人々が安定して労働を続けられる環境をつくることこそ、企業のCSR(企業の社会的責任)の必須課題でもあるわけです。「人」という大切な資源を有効に使っていくことこそ「サステナビリティ」に繋がり、逆に、目先の利益だけでの「派遣切り」「内定取り消し」などは企業価値自体に大きく影響を及ぼし、やがては自らの破綻へと繋がっていきます。

「使うか捨てるか」という意味では、ヒトの脳の働きこそエコにできています。ヒトの脳はエネルギーを節約しようとするので、必要のないことには力を注ぎません。長いこと使わないでいる機能があると、知能の一部が失われます。例えば、手紙を書くことなくメールを使っていれば文字が(特に漢字が)書けなくなってきます。携帯電話のアドレス帳を使うので、電話番号は覚えていませんね。記憶中枢の部分は特にエネルギー節約のための「エコ」が顕著です。なんでも「OKグーグル!」で済ませてしまう将来は、映画{ET}に出てくる生物のように、人差し指一本だけが肥大して、そのほかは退化してしまうのかもしれません。使うか捨てるか、です。

子どもの「習い事」にも変化があるようです。クラッシック系楽器を習う、バレエや柔道(いきなりつま先で立つ、相手を投げるなどができず、ひたすら体を作っていくことに重点を置くスポーツなど)を習う(習いたい)子どもの数が著しく減ったという特徴があるようです。PCゲームなどの影響もあるのかもしれませんが、今の子どもたちは「即座に手に入る“ごほうび”」に慣れているので、すぐに上達しない(結果が出ない)と辞めてしまう傾向があるようです。このことは、「最近、すぐにキレる子どもが多い」ということと関連があります。「上達に時間がかかる=ごほうび(報酬)を先延ばしにする」ことをしないということは、「自制心(自己コントロール能力)」が育つ訓練をしてしてこないということになり、自己コントロールが効かない人をつくることになります。自制心は人生の早い段階で現れ、将来的にもかかわってくる社会的能力です。とはいえ、習い事だけで自制心が育つわけではなく、例えば、きょうだいが多ければ「我慢」のチャンスも増え、逆に、物質的に豊かな環境は「我慢」のチャンスは減ってきます。

エコな考えは必ずしも便利ですぐ答えが出てくるわけではないですが、「サステナビリティ」という観点において、将来的に大きな成果を生み出してくるというものです。「おうち時間」の中で何ができるか、手紙を書いたり、緑のカーテン(ゴーヤ)を育てたり…エコを楽しみながら過ごしてみることもいいかもしれませんね。私は、断捨離を兼ねた「メルカリ」を頑張ろうかな…。

引き続き、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、当オフィスでのカウンセリング・セミナーは、少人数の従来の形でのセミナーと、リモートでのWebカウンセリングや大好評の「自分探し講座」などのZOOMセミナーを複数ご用意してお待ちしております。HPなどチェックしてみてください。また、弊社公式LINEアカウントでは、セミナー情報などを随時配信しております。是非、弊社公式LINEアカウントに「お友達登録」してみてください。

皆様のこころとからだのご健康をお祈りしております。

それではまた。

中里文子

※「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」「4.質の高い教育をみんなに」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「6.安全な水とトイレを世界中に」「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「8.働きがいも経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「10.人や国の不平等をなくそう」「11.住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」「16.平和と公正をすべての人に」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」

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