(代表中里文子のコラム/2018.12.20)

皆さんは、「ナルシスト」というとどのような人をイメージしますか?常に鏡を見て、自分の姿にうっとり…でしょうか?

アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル「DSM-5」によると、自己愛性パーソナリティ障害の特徴は以下のようになります。

「「自分は特別で重要な存在である」と誇大な妄想感覚を持つため、自分への過剰な賞賛を求め、特権意識を持ち、自分の期待に従うことを期待する。また自分自身の目的を達成するために、他人を利用する。自分が特別と思い込むことで、自分よりも明らかに賞賛や評価を受けている者に対し激しく嫉妬する。それを認めたくないために尊大で傲慢な行動、または態度に出る。対人関係は「自分へ賞賛をしてくれる人」または「自分の代わりに現実を処理してくれる人」のどちらかのタイプを求め、どちらでもなくなると容赦なく捨ててしまう。つまり、自分の周囲にいる人たちは、特別な存在である自分のためになんらかのエネルギーを注ぐ人だと思い込んでいる。その行動的特徴として、他人の気持ちや対等な立場であることを認識しようとせず、利益にならない人、とりわけ自分より優れた人物、目障りな存在に対してはあからさまに攻撃的になる。」

また、自己愛性パーソナリティ障害の人は、心が傷つきやすく抑うつ傾向があります。表には出しませんが、批判された言葉が脳裡を離れず、「恥をかいた」「うつろで空しい」などと感じ続ける傾向があるようです。その攻撃性の裏側にあるものは強烈な劣等感です。

矛盾するようですが、自己愛性とは自分を好きになれない病理であり、正常自己愛の発達障害が自己愛性パーソナリティ障害の本態です。いじめなどの陰湿な行動や、会社で「お局さま」がキレイな新人を攻撃する等もその一例です。キーワードは「嫉妬、劣等感」でしょうか。

例えば、「白雪姫」の話。

「鏡よ鏡、世界で一番綺麗なのは誰?」と継母が魔法の鏡に聞くと、「それは白雪姫です」

と言われ、嫉妬に狂った継母が白雪姫を毒リンゴで殺すという話です。

また、旧約聖書でのアダムとイブの息子達、「カインとアベル兄弟」の話。

神は、兄のカインが捧げた供物は無視し、弟のアベルの供物には目を留めました。それに嫉妬したカインはアベルを殺します。人類最初の殺人と言われています。

周りに誰かしら思い当たる人がいませんか?ありのままの自分自身をみられない、認められない人は、理想化した自己を追い続けなければなりません。苦しいですよね…。過剰な美容整形で話題だった「せんぷうきおばさん」、もっと、もっと…とより高い理想自己を追い続けずにはいられない…さぞや苦しい人生だったでしょうね。早い時期に心理療法カウンセリングにつながることができていたらと思いますが、プライドが高い自己愛性パーソナリティ障害の人は、症状の認識がないため、治療が難しいと言われています。等身大の自分をありのまま認めてあげる作業は、本当はとても大事な作業です。

当オフィスでは、心理検査を使った自己理解の作業や、生きづらさに寄り添う心理療法カウンセリング(認知行動療法、精神分析的心理療法など)を行っております。医療との連携もありますのでお気軽にお尋ねください。詳細は、HPを是非、チェックしてみてください。

それではまた。

中里文子


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