(代表中里文子のコラム/2017.1.20)

悩みを抱え苦しむ人々の心の奥底にはどんな感情があるのでしょうか。生きる意味が見いだせず、

生きていることがあまりに苦しくつらい「絶望感」だとか愛する他者、あるいは信頼できる

他者から切り離される、または、そういった存在がいない「孤独感」だとか、そういった感情が根本にあるのでしょう。

こういった状況にある人には、心理カウンセリングは効果的です。カウンセリングの中でクライアントは、「胸が苦しい、締め付けられるように辛い、胸のあたりがザワザワする」というような言葉には言い表せないような気持ち(身体感覚)を、「哀しいよ」「怖いんだ」「どうなるのか不安でたまらない」「独りぼっちでとても寂しいよ」というように信頼できるカウンセラーに言語化していくことでその苦しさは軽減されていきます。

ただ、この作業はとてもしんどさを伴い、できれば悲しみや苦しみなどを心の奥底に仕舞い込んで

蓋をしてしまいたいでしょう。しかし、蓋をしたからといってなくなるわけではなく、蓋の下でどんどん化膿して、触れると痛くなります。やがてそれは、触れなくても痛みを伴うほど大きく膨れ上がり、自分を苦しめるようになります。どうにもならなくなった心の痛みから逃れるために、人は感情を(感覚器を)閉ざします。感覚器は、嬉しい、楽しい、わくわくすることも感じ取りますが、感覚器を閉ざされると心全体が動かなくなります。これが「抑うつ状態」です。さらに抑うつ状態が続くと、「うつ病」を発症します。

もしもカウンセリングが受けられる状況にない場合は、匿名で、いつでも、どんなことでも自分の話したいことだけ話せる安全基地のような「電話相談」が役に立ちます。訓練された電話相談員は「ビフレンディング:Be-friend-ing」の姿勢で、相談者の言葉に耳を傾け、寄り添い、相談者の気持ちと

「ただ一緒にいること」に注力します。でも、そのことにこそ意味があるのです。

いのちの電話などは、この「ビフレンディング」により、人々を支援しています。そして、私達が応援しているNPO法人こころんプロジェクトの青少年を対象にした無料相談電話「こころんホットライン」は、相談者の「その先」をも見据え、アイデンティティ(自分は何者かということ)を構築することを視野に入れたキャリア(仕事)コンサルティングを無料で提供しています。

自分の「これから」について、時には話をしてみることも意味があるかもしれません。いつでも「ビフレンディング」の姿勢で皆さんの心の声を聞いてくれる「人」や「場」を持っていることが大切ではないでしょうか。

ではまた。


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カウンセリングでは、ご相談者様の生きづらさに寄り添い、その原因となった出来事に対するものの捉え方、感じ方など内的な感情に焦点を当て、各種心理療法(精神分析的心理療法など)を用いて、ご相談者様の心の側面について内省を促し、生きづらさを解決していきます。
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