(代表中里文子のコラム/2022.1.26)
「どちらかに決めなくてはいけないときに、いつも失敗する方を選んでしまう…」「いつも優柔不断で、なかなか決められません。どうしたら迷わず決断できますか?」という相談を受けることがあります。その選択や決断が、人生において大事なものであればあるほど、やはり人は決断するまでに時間が必要になりますね。なぜなら、どちらにしてもそれぞれのメリットデメリットがあるから迷うわけです。
何かを決めることに関して、自身のもともと持っている行動特性や思考の特徴(癖)は大きく影響してきます。例えば、「石橋を叩いて渡る」という慎重派、堅実派の人にとって、「まあ、進んでみれば。この橋、壊れそうだな、と思ったら引き返せばいいじゃん!」と言われても、そんないい加減なこと、出来やしませんね。また、「まあ、何とかなるよ。行ってみてダメそうなら引き返せばいい」と考える行動派、お気楽派の人に、「資料館で調べてから渡った方がいい」と言っても、「そんなの日が暮れて夜になって渡れなくなる」とじれったくて出来やしませんね。物事の判断や決断には、その人なりの思考のルールやルーティンなどがあるわけです。
それでも、人は迷います。決定した後の方向性が大きく変わってくることほど、心は葛藤するでしょう。例えば、結婚や離婚、進学や就職、転職やマイホームの購入などです。
選択を考えるときに必要なことは、まず、「イメージ」することです。イマジネーションを膨らませていくときに、どこに視点を置くかというと、「今、ここ」での感情ではないです。もっともっと遠く(長期的)な視点で「うまくいったときの理想的な状況」を思い浮かべます。
さて、あなたは28歳男性。学生の頃に留学経験あり、世界中を飛び回り仕事がしたいという夢をもって大手商社に就職。コミュニケーション能力も高く、人と話すことが大好き。きょうだいが多い大家族で育ち、将来、子どもは3~4人欲しいと考えている。半年前に出会いおつきあいしている女性は自立してはきはきしているが、優しく思いやりの深い大和なでしこ型で素敵な女性。お互いに結婚を意識しだしました。さあ、あなたはどうする?
「今、ここ」での感情に視点を置くと、「素敵な女性だし、このような女性と結婚したら、お互いが尊重し合い、幸せだなあ」となるでしょう。ただ、結婚生活は人生を共に歩くということですね。この女性の価値観や理想はどうなのかな、と考えます。仮に、この女性が「結婚しても仕事を続けたい。子育ては得意ではないので子どもは欲しくなく、むしろ2人で仲良く暮らしていきたい。自分の仕事の拠点は日本国内なので、海外暮らしには興味なく、むしろ、海外へは行きたくない」という考えを持っていたとしたらどうでしょうか?
長期的な視点でイメージしてみれば、どちらかが自身の希望を諦めることになり、それまでの道のりは何度も話し合いが行われるか喧嘩になってしまうことが予想できます。
また、大学の教育学部で学び教材の出版社に就職し、結婚を機に退職、子どもが小学校高学年になったためパートとしてどこで働こうか迷ったとします。パンが好きだから近所のパン屋さんでパートとして働くか、少し時給の高いコンビニでバイトするか、時給は高くないが学習塾のアシスタント講師のパートをするか。自身の今後のキャリアを考えると、「自分のやりたいことや将来的な目標に近づいているのはどこか、経験が生きてくるのはどのような仕事か」を考えることが重要になりますね。
先日、電車内の広告を見ていたら、かわいい子犬がつぶらな瞳でこちらを見ているポスターがありました。そこには、「その一目惚れ、迷惑です」とありました。日本動物愛護協会の広告です。「今、ここ」の視点で決断してはいけないよ、将来的な形をイメージして決断してね、というメッセージ広告ですね。選択に迷ったら、まずは、「今、ここ」の感情ではなく、長期的な視点で自身の生活をイメージしてみること。そして、何を選択すれば自分のやりたいこと、なりたい方向性に近づいていけるのかについて、しっかり検討してみることが大事になります。それさえ考えられれば、おのずと何を選択すればいいのか見えてくるはずです。
いずれにしても、生き方に「絶対にこれが正解」はないのです。「もしも、~たら、~れば」の思考は苦しみを生みます。だからこそ、「自分が選択したことは間違いではない」と思うプラス思考が重要になります。両方の生き方をすることはできないわけですからね。そして、何か違う、と気づいたら、修正すればいいのです。
引き続き、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、当オフィスでのカウンセリング・セミナーは、少人数の従来の形でのセミナーと、リモートでのWebカウンセリングや大好評の「自分探し講座」などのZOOMセミナーを複数ご用意してお待ちしております。HPなどチェックしてみてください。また、弊社公式LINEアカウントでは、セミナー情報などを随時配信しております。是非、弊社公式LINEアカウントに「お友達登録」してみてください。
皆様のこころとからだのご健康をお祈りしております。
それではまた。
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