(代表中里文子のコラム/2017.3.20)

アメリカの文化人類学者のルース・ベネディクトは1994年に日本人の国民性の研究として「菊と刀」を執筆し、その中で欧米の文化は「罪の文化」であるのに対し、日本人の文化は「恥の文化」であると規定しました。欧米文化では、行動の規定の基本に「神」という存在があるのに対し、日本では「世間の目」が規定にあるからだとされています。

他者からどう見られるかを常に意識している日本人の9割が持つ「不安遺伝子」の特徴は、脳内の神経伝達物質の一つである「セロトニン」が不足しやすいということにあります。

セロトニンが不足すると不安感の増大、無力感、基礎代謝量の低下などを引き起こします。また、うつ・不安症・睡眠障害・自律神経不調など、様々な疾患やメンタル不全と関係があるといわれています。

セロトニンは、3つの神経伝達物質※のなかで、セロトニンは調整役を担当しています。例えば、ノルアドレナリンが過剰になると不安感や恐怖感が増大しますが、それをちょうどいい具合に調整するのがセロトニンの役割です。

また、アルコールやギャンブルなどの依存症防止にも、セロトニンが有効に働きます。依存症はドーパミン過剰の状態ですが、脳内のセロトニンがドーパミンの過剰な働きにブレーキをかけ、依存症を回避しやすくするのです。

(※セロトニン:精神の安定、意欲、ドーパミン:快感、喜び、攻撃、ノルアドレナリン:不安、恐怖、怒り、意欲)

セロトニンの分泌を促すためには、栄養面と運動面に配慮することが効果的です。

  • リズム運動:散歩、ウォーキング、呼吸法、音楽を聴く、ガムをかむ、おしゃべりなど
  • 皮膚刺激:スキンシップ、肌を撫でる、手をこする、マッサージ、ハグ、肩もみなど
  • (太陽)光を浴びる:朝日を5~10分浴びる→体内時計がリセットされる、夜眠りやすくなる
  • 食べ物/セロトニンが増える食品:ビタミンv6+トリプトファン(アミノ酸)、魚類(カツオ・マグロ・鰹節など)、大豆(豆腐・納豆など)、乳製品(チーズ・ヨーグルトなど)、バナナ、たらこ、そば、生姜、ヒマワリの種など、サプリメント

うつ病治療に関わるセロトニンですが、セロトニンを増やすような生活習慣を取り入れることで、抑うつ感情を引き起こす「不安遺伝子要因」はカバーできそうです。皆さんも、ちょっと心掛けてみてはいかがでしょうか。

それではまた。


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