(代表中里文子のコラム/2021.4.2)
ヒトの行動は、脳の中で「インプット(入力)→情報処理→アウトプット(出力)」の流れで行われています。コンピューターで考えると分かりやすいかもしれませんね。ヒトでは、インプットに当たる部分を主に動物的な脳といわれる「右脳」が担当し、情報処理の部分を主に人間的な脳といわれる「左脳」が担当していると考えます。その情報を運動機能として「(体を)動かす」「書く」「話す」のようにアウトプットしていくのです。
「右脳」は5感覚器(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を司り、インプット(情報収集)の大半を「視覚」「聴覚」が担っています。どこかへ行くとき、「地図」を渡されたなら情報は「視覚」から得ますね。また、「ここから100m先の角を右に曲がるとすぐに一つ目横断歩道があり、それを渡って50mほど歩くと左手にコンビニがあります」と言われれば、情報は「聴覚」から得ています。
「左脳」は言語脳といわれ、情報の貯蔵庫として記憶を司ります。記憶は主に、長期記憶(「枕草子の作者は?」など、知識として定着している記憶で、長い間覚えているもの)と、短期記憶(「赤い球が2個、緑の球が3個、青い球が4個袋に入っています。緑の球を取る確率は?」など、ちょっとの間だけ覚えていながら作業に使う記憶で、ワーキングメモリとも言う)ですが、長期記憶は「学習」と、短期記憶は「集中力」と関わりがあります。
ヒトの「記憶」のメカニズムもこの流れで行われます。短期記憶を繰り返すことで長期記憶に移していきます。しかしながら、より多くを効率よく記憶するには工夫が必要です。
例えば、「118739487356」を「はい、覚えて!」といわれてもうまく思い出せませんね。アメリカの心理学者ミラーは、一度に覚えられるメモリスパンは、数字やアルファベットであれば7±2としました(1956,不思議な数7±2)。さらに、ミラーは数字やアルファベットを3つ、4つにわけると覚えやすくなると示しました。この塊を「チャンク」と呼びます。一度に記憶できるチャンク数は4つといわれています。クレジットカードナンバーは「4つの数字×3チャンク」、電話番号も「3つ×4つ×4つ」などに分かれているのもそういった工夫があるのです。
「118739487356」をチャンク(塊としての視覚的工夫)でみると、「1187-3948-7356」と、はるかに覚えやすくなりますね。また、聴覚的工夫でみると、「いい花咲くよ花見頃」という語呂合わせであり、覚えやすさはアップしますね。「視覚」や「聴覚」など、5感覚機能を合わせて使うことで覚えやすく忘れにくくなるのです。
また、「精緻化リハーサル」という周辺情報をも含めた思考を伴う記銘も効果的です。例えば、漢字の「鮃」「鰯」は、魚と平(たいら)だから「ヒラメ」、魚と弱(い)だから「イワシ」ですね。歴史などでは、「江戸幕府5代将軍「徳川綱吉」+「生類憐れみの令」+「15代将軍の中で「家」が名前につかない」というように、周辺情報まで一緒に覚えることで長期記憶に残ります。
脳は常にネットワークを張り巡らせていきます。使えば使うほど記憶は保たれます。一方で、脳はエネルギーを節約しようとするので、必要ないことには力を注ぎません。だから、使わないでいると、知能の一部が失われていくことになります。仕事から引退して隠居した途端に認知症に、という話はよく聞きますね。若くても、スマホやPCに任せていると…文字が書けなくなる、大事なことが覚えられずにすぐに忘れる、絵文字を使うと感情表現が言葉でできなくなる、なんてことになるのです。
ママと子どもの会話です。なんて素敵な「感性」でしょう!
子「うわ~、このメロン、しびれるほど不味(まず)いね」
母「ホントだ、熟れすぎてピリピリするね」
子「この宝石、盗みたいほどきれいだね」
母「・・・苦笑」
常に脳のネットワークを張り巡らせていることで、記憶力や思考力、感性が育ってきます。ただ家の中の机に向って勉強しているだけでは効率的ではありません。勉強に行き詰ったときは屋外で勉強するのもお勧めです。外へ出て、光や風、音や匂いなど5感覚への刺激により、脳内ネットワークが強化され、記憶力や思考力はアップします。
脳トレ、つまり、右脳と左脳を連動させネットワークを強化していくトレーニングですが、少し工夫をしていくことで、脳ははるかに効率的に働くようになります。ただし、脳は疲労します。脳の疲労をリセットするには、「15分集中⇒3分休憩」だそうです。
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皆様のこころとからだのご健康をお祈りしております。
それではまた。
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